この一個なら[プロ球場で聴くパッチーン]が”あなたの軟球”でも（自分でも聴き惚れるほど）辺りに響きます。
通産省の「現代の名工100人」として、球界から「歴代たった二名のみ」選定されているグラブづくり最高峰の江頭重利（久保田スラッガー福岡支店長）。実質的、あのスラッガー信者でも「VIP担当」の筆頭じきじきの手になる品はできないもの。選手によっては門前払いを喰わせることもある硬骨漢（笑）。・・・でも納得いったらトコトン付き合う。その代わり選手が大物になっても「（契約料）カネは出せない」「そして媚びない」事では球界に知られたご仁だ。だったら、いざ作ってくれるとなったらどうするのか？

師の匠は、気に入るまでグラブを
(1)「湯につけ」
(2)「幾日もかけ乾燥させ」
(3)「それまでの皮脂を、師が望む油脂へと摺りこみ替えて」
(4)「気に入った形になるよう仕付け」
(5)「数百回もポケットづくりを目指し、叩きまくり」
(6)「全身を載せて揉み」
(7)「カタを整えて」初めて発注者へと手渡す・・・のが[江頭流]なのである。

それにしても『名中堅手としてゴールデングラブ賞11回＝歴代2位』の秋山監督が、このグラブの主（失礼ながら）辻武史という選手を、ゲームが接戦となって加点は許されない局面…にかぎり（王監督はじめ）秋山は、辻を指名するのが通例であった。
2002~2009ホークス在籍後の辻氏は引退したのち、球界からのセカンドキャリアへの親切な指導力が各球団から求められ、なるほどいきなりの「BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス」の初代監督→GMへと抜擢されるのもうなずけるワケである。

★★★★★★最近になって、（有）流体力学・旭堂の小生が20年も前に江頭さんに掛け合い『軟球の方が何倍も捕球はむずかしいはず』、『なのに、もうひとりのグラブ名人に掛け合ってみると”所詮は軟球”と笑って取り付くシマもない』と打ち明けると、江頭師は『おかげで目が醒めました、バカにしていた軟球は捕球したと思ってもポケットから勝手にバウンドして逃げて行ってしまうんですよね。』とあらためてこちらのほうを見直した。
当方は『軟球でも確実に捕球できるなら、硬球なんて”ついでに”獲れてしまうもの』と考え、心ある「プロ球界での職人諸氏」を探していたのである。
そして【軟式革命】というプロ選手も実戦で使う「硬式まさり」のグラブを送り出す事が出来た。
現在ではDeNAの名手・大和が、その江頭正軟式グラブを今季からついに実戦でも愛用を始めているのはちょっと驚きだった。
（硬式に比べ）軽く、手のひらでボールを包み込む確実さに惚れたという。

「辻モデル」で始まり「松井稼頭央オールラウンド」「同内野用」「鳥谷モデル」と４度にわたり寸分違いない江頭製を発売すれば右から左へ直ちに予定数は品切れて、よくよく眺めてみたら何倍ものプレミア価格を勝手に上乗せさせられて転売されているのを知ってボクは一気にしらけ、軟革の短い歴史を閉じた。

そんな師も、もう来月で９１歳!!
さて、すぐにグラウンドへ持ち出したくなるこのグラブ。
この特納仕様グラブ、小指部分に焼き印で[１０４０－０５]とあり、『ホークスの外野選手オールラウンドモデルで辻君用-05シーズン納品』といった意味の記号である。
2005年本グラブの支給を受けた辻君の愛用者としての仕付け法とは、基本的に（左手）『人差し指と中指の付け根基部』、そして『親指の付け根とタナゴコロ（掌）で作る小さなカップ』にボールという球体をコロリと載せる・・・そうしたカタチの内側に収めるよう、キャッチボールの一球一球、一回さえもミスらず、辻はその段階から油断さえしなかった。

そのためグラブ内にボールを呼び込むと、自然にグラブは球体がコロンと収まったのを見届けるように、（自然と？）親指と小指側が閉じて、ボールを封じ込むのである。
筆者（取扱者）の前野は、この今回の古グラブを手にして驚いた。
『こんなに獲りやすいグラブへと、使い手の仕付け次第で維持できるのか！』とうなった。

ボクは数十年もの間、数多くの日米プロ選手のグラブを職業上、手にし検証する機会には、人の何倍も恵まれてきたが、これほどボールが抵抗なくしっくり収まるグラブは初めての経験であった。 現在、このグラブの状態は、「カオこそ、表皮がところどころハゲが出てツラは悪い」けれども（オレかい！笑）
★★★★★★プロの名手は、こうした品のように『表皮だけにハガレがある程度』の状態なら、せっかく最高のウツワへと育った残ったアンコや土台をそのまま活かし、『久保田へオモテ革だけ替えて下さい』という”修理”を申し込むものです（材料費＋工賃込み2～3万円で最高のグラブによみがえります 福岡支店調べ/東京支店でも受け付け）。
だがグラブ第一の使命はルックスではなく、『獲りやすく、落球しないこと』なのである。 これだけ『支給した品』を大事に、丁寧に使いたおしてくれる選手と一緒に「現代の名工 江頭名人」が工房にもで再会できたらさぞかし感謝感激であろう。
 これこそ、作った者にしたら「職人冥利に尽きる」というもので、これだけ制作コンセプトを維持し高めてくれる使い手との出逢いも、そうそうはないはずなのだ。
★前野もこれだけの『作った者と使っていた者』がこれだけの出会いを果たしたという事実、とその結果に立ち合えてまさしく「鑑定士冥利」に尽きるというものであった。
できれば、たった今、Amazonで『前野重雄Kindleストア』のワードで検索して頂ければ、日米の名選手たちが頼った品、仕上げたプロギアという品をご覧いただけるはずで、必死にボールと取り組むお方であるならば、このグラブなら”その中の一個に加わって良いだけの価値があろう”と、同感して戴けると思う次第だ。
あ！『パッチーン』鳴らなかったら…（捕球位置がズレましたね！）もふくめ、悪いワケがないので保証付き★返金保証を自らお約束の小社［真正証明書］付★
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めったにない、素晴らしい機会です。★小生が野球を引退していなかったら本品は世に出ることはありませんでした（代表 、代表 前野 重雄拝）。

（有）流体力学・旭堂